サービスにおける顧客満足とロイヤルティの因果モデルへの理論的な探索

原本リンク

著者:佐野 楓 年:2014年

Ⅱ 顧客満足に関する先行研究

1.時間軸による取引特定的満足と累積的満足

●顧客満足を、2つの側面から定義する。

取引特定的満足:1回のサービス・エンカウンターにより形成された満足度

累積的満足(全体的満足):何回かのサービス・エンカウンターにより形成された満足度

●取引特定的満足のメリット2つ

・顧客のある特定の製品あるいはサービスの評価に対する複雑な心理プロセスを捉えやすい(Olsen and Johnson,2003)

・企業にとって内部変化あるいは品質改善によりもたらされたパフォーマンスの変化を探知しやすい(Johnson, Anderson, and Fornell, 1995)

●近年では、累積的満足度の方が、顧客満足を測定する主要な尺度として広く使用されているが、取引特定的満足の方が研究に適している。

2.顧客心理による感情的な変数と知的な変数

●顧客満足の捉え方

・感情的な変数:サービス提供者との関係性、店の雰囲気、サービス・ブランドへの好みなど

・知的な変数:損失とベネフィットの計算によってサービス品質を判断

●顧客満足を感情的な変数として捉えると、「獲得ー損失」という公式で計算できないが、知的な変数として捉えると、「獲得ー損失」という公式で計算できる。

●顧客満足は以前として感情的な変数としてアプローチするのが多数である。

3.期待不一致の捉え方

●顧客満足を顧客期待との差により定義する必要がある(Oliver, 1999)。

●顧客がサービスを利用する前の期待、及び知覚された品質により満足が形成される。

●「期待不一致」は、顧客満足を定義する際に最もよく使われる捉え方である。

Ⅱ ロイヤルティに関する先行研究

●ロイヤルティの定義のみについて検討

1.行動的なアプローチ

●測定尺度

・購買の割合

・購買の可能性

・リピート購買の可能性

・連続購買

・リピート購買行動

・多面的購買行動

●多くの研究者の定義:同じ製品、あるいはサービスの繰り返し購買する顧客が、ロイヤルティを持っている顧客と定義している。

●行動的変巣のアプローチがダイナミックなプロセスの静的な結果のみ捉えていると批判がある。

●顧客のリピート購買行動は単なる習慣的な購買であり、ロイヤルティと異なるという批判もある。

2.態度的なアプローチ

●態度の定義:ある程度の好感、あるいは悪感を伴い、特定な存在物を評価することによって表れる心理的な傾向。

●ロイヤルティの定義:ブランド選好、コミットメントのような感情的、及び知的な態度。

●態度は行動の先行要因であることは広く認められているが、態度と行動の間にあるメカニズムはまだ解明されていない。

3.行動的&態度的なアプローチ

●行動と態度を統一したアプローチとして、顧客のロイヤルティを定義された。

愛顧
相対的態度 ロイヤルティ 潜在的ロイヤルティ
偽のロイヤルティ ノーロイヤルティ

●「偽のロイヤルティ」が企業にとって最も危険であり、偽のロイヤルティを持っている顧客を維持するのは難しい。

●「潜在的ロイヤルティ」が企業にとって最も厄介であり、「潜在的ロイヤルティ」を「ロイヤルティ」に転換するために、プロモーションや、報奨制度などのような方法を工夫する必要がある。

Ⅳ 顧客満足とロイヤルティの内的関連性

1.ロイヤルティ研究における先行変数としての顧客満足

2.ロイヤルティ研究における調和変数としての顧客満足

3.ロイヤルティ研究における媒介変数としての顧客満足

①知覚品質、顧客満足とロイヤルティの内的関連性

②ブランド選好、顧客満足とロイヤルティの内的関連性

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