【建築と知的生産性 ー知恵を創造する建築ー 】
●執務空間の知的生産性:Workplace Productivity
●人の知的活動を3つに分ける:
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第1段階 情報処理:情報をルーチン処理する
第2段階 知識処理:情報を加工してまとめる
第3段階 知識創造:新しいアイデアを創り出す
●第1・2段階:環境整備が求められる。第3段階:場の活性化が求められる
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●人・組織の意識や行動
・集中:定型・事務処理 / 収束的思考 / 拡散的思考
・リラックス(休息)
・リフレッシュ
・インフォーマルコミュニケーション
・フォーマルコミュニケーション
・モチベーション喚起・向上
・企業理念共有(ブランド・CSR)
●室内環境の評価:CASBEE
●知的生産性評価のための主観調査票:SAP
●知的生産性の定義(妹尾先生):対象とする主体の知的活動の産出価値を、その知的活動に要した投入費用で割ることで得られる指標
知的生産性=産出価値÷投入費用
●人間の知的生産性→個人/組織
●知的生産性の向上方法
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1.産出価値の増加:産出量の増加 / 産出価値の大きいものに切り替える
2.投入費用の削減:投入量を減らす / 少ない費用の投入物に切り替える
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●個人の作業:
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マニュアルワーク:何をするか、いかにするかの両方が他者によってきめられている
スキルワーク:何をするかが他者によって、いかにするかは自分で決める
ナレッジワーク:何をするか、いかにするかの両方を自分で決める
●マニュアルワーク:知的生産性を向上させるには従来投入物の投入量削減しかとれない→サボる
●スキルワーク:知的生産性を向上させるには従来投入物の投入量削減しかとれない。工夫次第で大っぴらに投入量削減が可能
●ナレッジワーク:従来産出物の価値の低下が見られる場合は、新規産出物への切り替えを最優先するべき。
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●知的生産性の評価方法:
主観的評価方法:自己申告:SAP(Subjective Assessment of Workplace Productivity)
客観的評価方法:作業量・作業速度
●SAPシステムにおける調査項目:光環境・温熱環境・空気環境・音環境・空間環境・IT環境・作業環境・回答者プロフィール
●SAPの利用方法
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1:移転や改修(リニューアル)時の知的生産性の変化を見る
2:複数拠点間における知的生産性を比較する
3:季節変動に応じた環境最適化や環境設備の劣化判断などに使用する(定点観測)
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●UWB:Ultra Wideband:超広帯域無線:近距離で無線通信と位置検出が可能。研究で使われている。
●伊藤一秀(九州大)の研究
15歳~18歳:室温26度以上では有意差見られず。25度以下では、下がる程学習効率低下(有意)
20代~40代:25度~28度の温度域で大きな際が観察されると同時に学習効率のピークも異なる。
10代において、室温は26度が最も学習効率が良い
換気量は高ければ高いほど学習効率は向上するが、対数関係。コストも考慮すると、10あれば十分
換気量:10[m^3/h/人]、単位面積[m^2]当たり12000円、30で16600円、
参考文献:村上周三、伊藤一秀、ポールワルゴッキ著『教室の環境と学習効率』建築資料研究社, 2007
●短時間曝露(さらす)実験
短時間(90分)の作業で、モチベーションが保たれる場合には、作業効率に温熱環境の違いが与える影響は有意ではない。
参考文献
Tanabe, S. and Nishihara, N: Productivity and fatigue, Indoor Air, No.14, pp126-133,2004
西原直枝、田辺新一:中程度の高温環境下における知的生産性に関する被験者実験, 日本建築学会環境系論文集, 568, pp33-39, 2003
●長時間曝露実験
長時間(350分)
疲労の訴え率が高くなると作業効率が低下する
自分で温熱環境を調節できる方が作業後の疲労感が低くなる。環境に関する満足度は高くなる。
参考文献
西川雅弥、西原直枝、田辺新一:中程度の高温環境下の長時間作業が作業効率と疲労に与える影響に関する被験者実験,日本建築学会環境系論文集, Vol.74 , No.638 pp525-530, 2009